「彼我の距離と速度」という表現 |
複数通行帯のある道路で1つ右の車線に移ろうとしたら、
その車線を走っている車がいた、という場面では、
自分が車線変更できるかどうかを
「彼我の距離と速度で判断せよ」と言われます。
教本にもそう書いてありますし、
このブログでもそう書いたことがあると思いますが、
実は、この表現は正確ではありません。
「分かった! 彼我の距離と“相対速度”が正しいんじゃないの?」と思った人、
惜しいです。
確かに、判断材料としては、
相手の車の速度そのものでなく、自分と比べて速いのか遅いのか(=相対速度)の方が
適切ですね。
では、例えば、
自分が時速50kmで走っているとします。
すぐ右の車線、自分より後方20mの所に車がいるとします。
その車の速度は時速40kmでした。
このケースで自分は車線変更が可能でしょうか。
「彼我の距離と相対速度」で判断するなら行けそうな気がしますが、
そうとは限りませんよ。
なぜなら、
もし、右の車が、時速30kmから加速して時速40kmになったのだとしたら、
その車の前に車線変更していくのは危険だからです。
そう考えてみれば、
「彼我の距離と相対速度」というよりも、
「彼我の距離と“相対速度差”(あるいは“相対的な加減速”)」によって判断する、
というのが正確と言えるでしょう。
もっとも、そう書いてもピンと来ないのと、説明が煩わしいので、
簡潔に「彼我の距離と速度」と括ってしまうこともありますが、
上に書いたような意味であることは理解しておいてください。
※当ブログは「にほんブログ村」に参加しています。
ぜひ1日1クリックの応援をお願いいたします。
(クリックしていただくと、当ブログにポイントが入り、ランキングページが開きます。)
↓
にほんブログ村